こんにちは、けもケに向けて血眼になっている羽里間隆信です。

 今回もけもケットの話題にしようかなぁと思ったのですが、何か連続してこの話題というのもつまんないし、最近マンガばかり描いて疲れてきたし、息抜きに好きな映画について語ってやろうかなぁと思います。

 今回取り上げる作品は先日、同じ映画仲間のお友達と飲んでいた時に話題になった映画。それは『疑惑』野村芳太郎監督の作品です。原作は松本清張。
 このペアといえば、どうしても『砂の器』の印象がどうしても強くなってしまいがちですが、この『疑惑』も全く負けていません。個人的には『砂の器』『鬼畜』『疑惑』は清張&野村三大傑作だと思っています。どれくらいすごいかと言えば、映画に殆ど関心のないうちの母上が「今まで見た映画で一番面白い映画」と熱くなるくらい……と言ってもあんま伝わらなさそうw
IMG_2919

 物語__夫が乗った自動車が海に転落。前科四犯の妻・鬼塚球磨子(桃井かおり)に保険金殺人の疑惑がかけられてしまう。明らかに有罪としか考えられない状況の中、敏腕弁護士・佐原律子(岩下志麻)は次々と疑惑を覆していくものの、鬼塚球磨子の振る舞いで裁判はどんどん悪い方向に向かいつつあった。果たして鬼塚球磨子の運命やいかに___という感じ。

 シナリオも脚色も見事で話したいことは山ほどあるけど、細かい話を抜きにしてこの映画の最大の魅力は何と言っても桃井かおりと岩下志麻の演技、というか迫力のぶつけ合い。この映画が大成功した7,8割はこの配役のおかげだと言っても過言ではない!!これは実際に映像で見ないと分からないので、とりあえずこの予告編を見てくださいな。

 
 どうだろうこの迫力。特に桃井かおりの面構えや人を喰ったような態度がたまらない。この鬼塚球磨子の悪女ぶりの徹底は見事なもので、情のようなものを殆ど見せない。本編見れば分かるけど、旦那の葬式の振る舞いとか最低最悪の極みだぜ。裁判でもかなり堂々としていて、気に入らないことや納得しないことは誰が相手であろうとも、小沢栄太郎であろうとも飛びついてかかるのだ。本当にクソみてぇな女なんだけど、ここまで貫き通されると清々しいわなw
 こんなどうしようもない奴を相手にするには、やはりそれだけ対等に戦える人物が必要なわけで、そこで登場したのが岩下志麻。志麻ちゃんは仕事一筋で旦那と離婚。こっちは公私の演技の切り分けが見事でした。裁判中はとにかく器用に仕事をこなす志麻ちゃんだけど、離婚した旦那と娘に会う時に表れる不器用さが切ないですね。
 生き方も性格も対称的な二人だけど、裁判をしながら徐々に奇妙な友情に結ばれていくのが大変面白いのです。

 ところでこの映画って桃井かおりと志麻ちゃんのキャラが強烈すぎて、他の配役が地味に豪華なことに気づかないという弱点(?)があったりする。
 他の配役をガサツに紹介すると____

・柄本明:頑張ってどうにか存在感を出すことに成功
・鹿賀丈史:チンコロ
・小沢栄太郎:ここまでたじろぐ小沢栄太郎は珍しい
・仲谷昇:ドⅯの帝王
・小林稔侍:出番が多いのに異様なまでの存在感のなさ
・北林谷栄:いつもと同じような役
・新田昌玄:バカ警部補
・松村達雄:そういえばいたなぁ
・山田五十鈴:怖い
・内藤武敏:地味
・丹波哲郎:明らかにひまつぶし

 他にも森田健作、三木のり平、名古屋章、小林昭二、真野響子などなかなか濃いメンバーが顔をそろえますが、ぜ~~~~んぶ、桃井かおりと志麻ちゃんに食われますwww


 『疑惑』は四回くらいドラマ化されているのかな。確か来年もまたドラマ化するっぽいです。でもベテラン俳優やスタッフをどんなに駆使してもこの映画を超える『疑惑』って出てこない気がするなぁ。配役はもちろん、シナリオ、脚色、トリックも含めて全部が全部奇跡に等しいくらい面白いのよ。この中の一つでも欠けていると、否応なく「やっぱ映画の方がなぁ~~」ってなってしまう。ハッキリ言って、この映画見た後松本清張の原作を読んだけど、あれもそんなに面白いとは思えなかったくらいだもん。
 法廷映画まで規模を広げてもかなり良いところまで上り詰めるんじゃないかなぁ。

 そんな女同士の熾烈なる戦いを描いた野村芳太郎監督『疑惑』
 本当に面白いので、お盆や休日などに是非見てください<m(_ _)m>





~お知らせ~
 しばらくお盆に入り、実家の方に帰っちゃうので来週のブログはお休みします。

 では失敬……

 こんにちは、羽里間隆信です。
 今日は9月23日に開催される「関西けもケット7」に関する話題です。ちょっと前にブース連絡、そして一昨日くらいに新刊の表紙が出来たので、詳細な連絡をしたいと思います。


「関西けもケット7」
〇サークル名:あほんだら症候群
〇ブース:あ‐43
〇配布冊子(新刊)
・明るいここたま劇場『パリーヌがサリーヌで、サリーヌがパリーヌで』
・明るいノラたま劇場『ユラノのいちばん長い日』




 大雑把にはこういう感じです。
 ただ昨年の関西けもケットで出品したここたま本『明るいノラたま劇場:ゴミはゴミ箱へ』を既刊として出そうかどうか、今ちょっと悩んでいます。欲しい!っていう方がたくさんいれば、新たに印刷して出そうと思いますが、そうでなければ今回は新刊のみの出品にしようかなぁと考えています。もし希望する方はブログのコメントやTwitterなどで声をかけてください。
 今の自分にもう少し実力と知名度があれば、関西コミティアに出したオリジナルマンガ『腐れ蜜柑』も堂々と置けるんだけどねぇ。まだまだそれは先かな。


 せっかくなので新刊二冊の表紙をここで披露したいと思います。
 まずは『パリーヌがサリーヌで、サリーヌがパリーヌで』です。
IMG_20180808_0001
 もう何度かチラ見せしているので新鮮味はあんまないかなw
 実はマンガを描き始めて間もない大学二回生の時に描いたオリジナル作品でもこの構図を使いました。懲りずに二度目の使用。好きなんだよね~『ジキルとハイド』的なこういう感じのイラストww



 続いては『ユラノのいちばん長い日』です。
 こっちの表紙は今日が初公開です。
IMG_20180808_00010

 タイトルは『日本のいちばん長い日』、構図は『悪魔のようなあいつ』が混ざったようなカオス極まりない表紙になってしまいましたが、個人的には結構お気に入りです。イラストから察するようにハロウィンネタになります。別に元ネタを知らなくても、それなりに分かるように作っているつもりなので身構えなくても大丈夫ですよ。

 価格に関しては両作ともに一冊500円の予定なので、是非とも遊びに来てください!
 関西けもケットの話題は、また開催が近づき次第やろうと思います。出来る限り気を付けているつもりですが、変更点等が出てきたら随時報告するので何卒よろしく。



 では失敬……

 こんにちは、羽里間隆信です。

 昨晩、長谷川和彦監督作品『青春の殺人者』をようやく見ることが出来ました。
 私は同監督の『太陽を盗んだ男』に強い影響を受けておきながら、その監督のデビュー作であり、キネマ旬報第一位を獲得した彼の代表作を今まで見たことがなかったのです。しかも長谷川監督の作品は『青春の殺人者』と『太陽を盗んだ男』の二作だけ。それだけなら見とけよwwww全く由々しき事態ですww今回余裕も出来たので、のんびりと見てみることにしました
 ホントにやっとだなwwww

IMG_2910

 すごかったけど、なかなか難解な映画でした。基本的に父親(内田良平)と口論になった息子(水谷豊)が感極まって殺害してしまう親殺しの内容なんだけど、自主製作映画の磔の描写やいちじくの実をめぐる男女のやり取りから、恐らく聖書をモチーフにしたテーマ性があると思われます。ただ私は聖書もキリスト教も全く無縁な生活(あったとしてもクリスマスくらい)を送ってきたので、この辺の深さを読み取ることはちょっとできませんでしたね。これが分かると、この映画の面白さが何百倍も倍増する気がします。
 この映画はまぁ水谷豊と原田美枝子が主演なのですが、それを喰っちまうくらい母親役:市原悦子の存在感がすごかったですね。というか市原悦子が全部持って行ってしまった感じもする。内田良平の死体を目の前にして、「人様に迷惑かけたわけじゃないんだから国や法律にとやかく言われる筋合いはない!これは家庭の問題!」と無茶苦茶だけど妙に説得力のあることを叫びながら、冷静に死体の処分方法を考える狂気じみた演技が強烈。挙句の果てに下着姿になって水谷豊を誘惑して、断られると一家心中じゃぁとを殺そうとしたり何が何だかカオス極まりない状態になっていた。しかもこの市原悦子の下着姿、エロくないのにやけにエロい!!!何なんだあのエロさはwwwww

 最終的に市原悦子も殺されてしまうのだが、その最期のセリフが「もう働かなくてもいいのね」って………哀しすぎる……

 水谷豊は両親の死体を処分し、やけをおこしたり自殺を試みたりするも全部失敗。その志は大きいけど中途半端な結果に陥ってしまう姿が自分と重なるように感じられ、何とも他人事のように思えなかった。それが本当に怖くて、自分も彼と同じ道をたどっているのではないかと考えるようになり震えが止まらなくなってしまった。特にスナック開店の夜を回想する場面では、同じリズムを繰り返すゴダイゴのBGMにカルト宗教染みた不気味さを感じて発作に見舞われてしまう。ということで一旦視聴中断。
 しばらく震えと息苦しさに襲われたが、薬を飲んでどうにか落ち着き、そこからは不思議と余裕が生まれてラストシーンまで普通に完走。

 すごい映画だった。映画としてもそうだけど、自分自身とダブるものがあまりにも多すぎて気持ちが悪くなってしまった。逆に水谷豊と何かしら重なる部分がないと、この映画ってあまり得るものが少ないかもしれません。重なる部分があるとものすごい恐怖感に見舞われる、そんな作品だったと思います。

 傑作だとは思うけど、正直言ってもう二度と見たくないです。
 とにかく疲れがすごくて、尋常じゃないくらい眠たくなった。


 なのでこの日はすぐに眠ました。
 こんなに眠たくなったのは本当に久しぶり………




 では失敬………

↑このページのトップヘ